テキストサイズ

禁断兄妹

第63章 聖戦



「っ‥‥?!」


頭から飛び込んだ
後部座席

振り返るように身体を起こした私に続いて
乗り込んできた先輩が


「エンジン切れ、ボケが!」


後ろ手で叩きつけるように
ドアを閉めた。


「す、すみませんっ、カシラがお寒いかと───」


「黙れ!!」


凍りつく私の前で
運転席が
思いきり蹴り上げられた。


「!!」


車が揺れるほどの衝撃

しん、と静まった車内に
私の息遣いと
心臓の音が響いて

耳鳴りの
よう


「‥‥外に出てロックしろ。
 人目につかないように見張れ、十分で終わる」


「はいっ!」


運転席の男性は後ろを振り返ることもなく
あっという間に車を降りて

全てのドアがロックされる音を
呆然と聞く。


何が
起こったの


この車は
あの人は

今の恐ろしい会話は

何なの

ストーリーメニュー

TOPTOPへ