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ショートラブストーリー

第11章 美帆③

起き上がって頬杖ついて言った。

「倉田さん、自分の席に行けば?」

「はぁ!?空いてんだからいいだろ?」

「食べるもの、無いですよ」

「あ、じゃあ頼もっか。何がいい?」

比呂子さんがメニューを倉田さんに手渡した。

「比呂子さん~!!」

せっかく追い払うチャンスだったのに!!

「吉田さんは気が利くよな~。さすがだよな」

う…っ。またイヤミが始まるよぅ…。

「それに、今から変な席に行きたくないんだよ」

メニューを見ながら、倉田さんがぼやく。

「変な席?」

キョトンとするあたしに、比呂子さんは納得!と声を上げる。

「倉田くん狙いの子、結構いるからね。酔ってるところに行ったら絡まれるかもね」

へぇ…。モテ自慢ですか。

どうせなら行って絡まれたらいいのに!!

「千秋の隣空いてるから行ってきなよ。楽しいよ?」

「嫌ですよ。絶対飲まされる」

「どうせ遥ちゃんも一緒だから大丈夫でしょ」

「余計ヤバイでしょ。あの二人に池上が潰されたって話だし」

3人とも倉田さんのチームの人達だ。

「池上くん、いつも飲まないのに」

「それを潰すくらい飲ませたんだから相当ヤバイでしょ。だからここに来たのに」

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