無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

比呂子さんが、とりあえず飲め!!とばかりにビールを勧めてくる。

あたし、強い方じゃないんだけど。

モヤモヤした気持ちのまま、グラスを手に取った。

「比呂子さん、酷いですよぉ」

「何が？」

「どうして今日のこんなときに、あんなこと言うんですか～？」

振られたけど好きだって自覚したのに!!

付き合えなくてもこの気持ちは変わらないって思ったのに!!

「…酷いのは私じゃないでしょ？」

「そうですよ。そうなんですけどぉ」

あぁどうしよう。また袋小路に入り込んじゃったみたい。

机に顔を突っ伏せてため息をこぼしていると

「…何やってんだ？お前」

頭上から降ってきた声に、あたしは眉を寄せた。

「倉田くん、お疲れ！」

比呂子さんが明るく声をかけた。

やっぱり。何で今現れるかなぁ。

「今、平谷課長に挨拶したんだけど、稗田さんどっか行っちゃってて」

「あ、いいよいいよ。どうせこれからいつでもいるんだから」

「吉田さんキッツー」

比呂子さんと笑いながら…何でここで座るのよ！