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ショートラブストーリー

第11章 美帆③

宴会場へ戻ってきたら、倉田さんと課長が話をしていた。

何を話してるのか聞こえないなぁ。

ても…二人の雰囲気があまり楽しげではないように見える。

下手に関わると、また倉田さんに何を言われるか分からないし…。

とても混ざる気にはならず、自分の席に戻ったら、比呂子さんがいた。

「比呂子さんも戻ってきたんですか?」

「あ…うん」

比呂子さんの隣に座ると、あたしの顔を窺うようにして

「気ぃ悪くした?ごめんね」

「え!?…大丈夫ですよ?」

何の話か理解できないまま答えると

「そう?」

比呂子さんは周りを見回して、声を潜めた。

「美帆ちゃん、平谷課長の事好きなのに悪かったかなって」

「え!!」

目を見開いたあたしに、比呂子さんは笑って

「気付くよ!!だって、人事異動の発表があってから、日に日に落ち込んでるんだもん」

ズバリの指摘に、あたしは乾いた笑いをするしかなかった。

「…いいの?」

「何が、ですか?」

「このまま、行かせちゃっていいの?って事」

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