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ショートラブストーリー

第7章 高橋②

「高橋くん、真由美ちゃんにココア淹れて。あたしの奢り」

真由美ちゃんが慌てて喜美子さんと俺を見て

「え!?もう片付けしてるし、いいです!!」

「いいから、ね?…高橋くん、頼むね」

喜美子さんはにっこり微笑むと、オーナーを手招きして奥に入っていった。

ホールに二人きりになってしまった俺は、お互いの間に流れてる空気がいつもと違うことに気付いていた。

「…他のものでも出来るけど、何がいい?」

「あ…。ココアで…お願いします…」

何となく顔が見れなくて、急いでココアを淹れる。

「座って?」

カウンター席を薦めて、真由美ちゃんの前にカップを置いた。

「温かいうちにどうぞ」

「ありがとう」

……何を言えばいい!?下手なこと言ったら自爆しそうで…迷う。

「あ…片付け、あと少しだから」

「うん。…待ってるね」

カウンターに戻って片付けを続けていると

「おい、高橋。ちょっと来い」

オーナーに厨房から呼ばれた。



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