
紅姫と黒猫の夜
第12章 告白
紅玉はあてもなく城を探し回る。
そろそろ諦めて部屋に絨毯をとりに行こうかな、と思っていたときだった。
(いたわぁ…)
ジュダルは、庭の草村にごろんと転がって寝ていた。
(可愛い寝顔………昔と全然変わらないわぁ……)
紅玉はジュダルの近くにそっと腰を下ろし、ジュダルの頭を自分の膝に乗せる。
「………ふふっ」
(このくらい、しても良いわよね……)
と、紅玉は思う。
(好きよ。大好き…………)
この気持ちは伝えられなくとも、こういった昔からの関係は失いたくなかった。
