
紅姫と黒猫の夜
第12章 告白
(やべぇ、ババァいつまで俺の髪触ってんだよ……匂いが、)
ジュダルは楽しそうに自分の髪をいじくる紅玉を、少々うっとおしく思っていた。
(紅徳に頼まれたことだってやんなくちゃいけねーのによ……)
はぁ…とため息をつきそうになる。
「あら?ジュダルちゃん?………おきたの?………………………………………違うわよね」
クスリ
と紅玉は笑う。
桃色のルフが、ジュダルに気づいてもらおうと、必死に羽ばたいていた。
しかし目をつぶったジュダルは気づかない。
ふ…と紅玉は目をふせる。
胸の激しい鼓動は、とどまることはなかった。
