
紅姫と黒猫の夜
第12章 告白
とは言ったものの。
(ぜってー聞きたくねぇ……俺以外の男の名前聞くくらいなら、皇帝なんか無視しちまいてーよ……ってもできねーけどな。)
んー!と伸びをすると、ジュダルは草村にごろりと横になった。
(あ、なんかねみー………)
その頃
(もう、ジュダルちゃんはどこにいるのよぉ?!)
紅玉はジュダルを探していた。
仕事終わりに美味しい桃をもらったので、ジュダルといっしょに食べようと思ったのだ。
(もう……ジュダルちゃんが桃好きだから持ってきたのに…いつもの場所にいないし…)
紅玉はため息をつく。
こういう場合は屋根にいることが多いが、あいにく今紅玉は絨毯を持っていない。
