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さようならも言わずに~恋は夢のように儚く~

第3章 弐

「知りません。花やさんところが何もおっしゃらなかったから。無理に訊くようなことでもありませんでしたしね。でも、お都弥ちゃん自身が言ってました。何でも内臓が腫れて、腐ってゆく厄介な病だって。ここに来てから一年ほどして、判ったみたいですよ。あんな良い娘に、仏さまも酷いことをなさるもんですね。清平衛さんとおきよさんは店を畳んで、上方の方に行くって、三日前に出ていきました。

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