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さようならも言わずに~恋は夢のように儚く~

第3章 弐

 そして、嘉門の愛しい女が待つその場所もすぐ眼と鼻の先にある。
 嘉門は懐手をして、悠然と道を歩く。角を曲がり、お都弥の待つ花やへと脚は自然と速くなった。
 今日、お都弥と逢った後で屋敷に戻ったら、母にお都弥とのことを切り出すつもりでいた。
 母のことだから、自分の思惑など、とうに知っているのかもしれない。それでも、良い。

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