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突然名前を呼ばれ、要は総一を見つめた。



「少し、完璧すぎたのがいけない…」


「は…？」


「そう思うようにした方が気が楽だ…」



総一はそう呟きながら、わーきゃーと騒ぐ弟夫婦を眺める。



「それはどういう意味ですか…？」



要が首をかしげると、総一はふぅん…とため息をつきながら、眉を掻いた。



「光瑠も礼二も…
しっかりと自分で立っているように見えるが…
本当は支えてくれる女性が必要なんだよ」


「────…」


「光瑠の場合は真希さんで…、礼二の場合は…………みきさんなんだ。」



そこで要は初めて彼女の名“みき”だと知る──


尊敬する人生の先輩である総一からの言葉。


ずっしりと重みがかかる。

そして要は総一もまた、自分が真希を見つめるときと同じ眼差しでみきを見つめていることに気付いた。



「僕たちは、あいつらとは違う…。ちゃんと自分で立ってる立派な男だ。」



ニコッと笑った総一をみて、要はため息を洩らした。