テキストサイズ

この前、近くて遠くて、人を拾いました!?

第3章 Party Night! (この拾×近くて遠い)

「セック…っ」



思わず復唱しそうに要は慌てて口をつぐむ。


にっこり笑って見つめられ、見透かされたような気持ちになり、要はドキッとした。


恐ろしい…
変わっているだけで
決して侮れない相手だ…っ



「ちょっとあんた本当、いい加減にしなさいよっ…!!!!」


「いだっっ!!!!」



突然礼二がうずくまったのを見て要は目を見開く。



先程、妻だと紹介された女性が鋭いヒールで礼二の靴をグリグリと踏みつけていた。



「痛いだろっっ!あいちゃん!その靴は立派な凶器だッッ!
家庭内っ…いや!パーティー内暴力だっ……!!!」



騒ぐ礼二を光瑠は未だに震えながら見つめていた。



「…不愉快だっ…」



光瑠はコソコソと話す要と礼二に腹を立てるとウェイターが運んだシャンパンを乱暴に掴んで、バルコニーへと歩いていった。



「あっ…」



真希は小さく声を発して離れていく光瑠の背中を見ると、このままではいけないと思い、ドレスの裾を掴みながら、光瑠を追い掛けていった。



「───真希さんっ…」


「関根くん…」



行こうとする要の肩を掴んで引き留めたのは総一だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ