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俺の幼馴染

第4章 液晶画面越しの関係

【薫サイド】

いつものように髪の毛をいじくる暇なんてなくて、久し振りに走って登校。

寮の中にはもう誰もいなくて、取り残された感じがする。

彼方はきっと間に合ってる。

あいつなら大丈夫だ。

思い切り走っていると、段々帰宅部の奴らとペースが同じになる。

途中で挨拶を交わしながらも、速歩きで登校した。

すると、1人の親しい友達から話し掛けられる。

「あれ?薫?」

こいつはいつも遅刻すれすれに来る奴で、名前は翼だ。

こいつとペースが同じだということは、今ギリギリ間に合うペースだということ。

「そうだよ。おはよ。」

「おはよー。でも珍しいねぇ、いつも完璧主義の薫が遅刻すれすれで、しかも寝癖付きなんて。」

「…いろいろ事情があってだな。」

「つまりそれは言えないような事だと。」

「ピンポン!」

いつもこの調子で話す俺と翼。

無駄に介入してこないところが俺的に好きだ。

「しっかしさ、そんなに寝癖付いてると逆に女子からの反響大きそうだよね。寝癖ついてる三井君可愛い!とか。」

「ついてなくてもそんな調子だろうが。守れよ。俺の護衛だろ?」

「いつからですかそれは。聞いてないのですが。」

「御前はいつだって俺のために働くの。」

「彼方にやって貰えよそんなの!」

一つ言い忘れていたが、こいつは彼方とも友達だ。

どれほど仲が良いのかはよくわからないが。

「駄目駄目、逆に俺が彼方を守る。」

「何そのホモ疑惑。」

「ああ、御前そういう趣味だったの?」


「死ね。」

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