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俺の幼馴染

第3章 SM掲示板

急に薫がズカズカと歩いて来て、隣にぼすっと座る。

その反動で俺はバランスを崩してしまう。

「うお…っ。」


ーぽすっ。


何だろう、暖かい。

そう思って気付いた時にはもう、俺は薫の胸に抱き留められていた。

何だこの少女漫画的展開は。

俺はそんなこと望んでない…っ!

だがしかし、薫はいつも通りのままだ。

要するに普通。

何なのこいつ。

「危ないぞ、しっかり座ってろ。」

…お前のせいだろうが!

と口に出しそうになったが、ここはぐっと堪える。

…というか。

「うん、ごめん。つか、離せよ。」

何故かまだ薫の胸の中にいる俺。

居心地が悪くて、軽く薫の胸板を押してみる。

「…うーん、抱き心地がいいな。…離したくない。」

「………。」

本日二度目のしかと。

そんなことを言われると、離したくても離せない。

…いや、離してほしくなくなる。

なんて、幼馴染の域を越えてる気がするのは俺だけか。


「…無視するなよ。」


またそう指摘された。

だから俺は、少しだけ強く抱き締め返してみる。

すると、もう“無視するな”の声はなくなり、シーンとした空間が俺たちを包んだ。

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