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俺の幼馴染

第2章 三井 薫 #とは

「ただいま。」

今日も俺は、部活動を終えて寮に帰る。

同じ部屋の薫は、文武両道のくせに帰宅部。

「おかえり、待ってたよハニー。」

だから、家に帰るとまず始めに見るのは此奴の顔。

毎日毎日ドアの前で出迎えられているため、見慣れた光景となってしまった。

っと、薫の変態じみた出迎えはスルーして、さっさと風呂に入りたいのだが…。

「無視かよ、酷いなあ。」

「部活で汗かいてるから、風呂入りたいんだよ。どけ。」

「ああ、なんだ。一緒に風呂入りたかったのか。早く言えよ。」

「そういうわけじゃねえよ!」

ったく、疲れるったらありゃしない。

こんな会話、何百としてきたけど、本当に行動に移したことはない。

なんたって、俺も薫もノーマルなんだから。

「ま、飯作ってあるから早く入って来い。」

ほらな、ある程度済むと離してくれるだろ。

「ん、ありがと。」

これはじゃれ合いに過ぎないのだ。

俺はそう思っていた。

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