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俺の幼馴染

第3章 SM掲示板

何でそんな単純なことに気付かなかったんだろう。

それはきっと、薫が本気で俺のことを思っていてくれたからだ。

「お前さ、顔真っ赤だよ。」

「は?」

薫に指摘され頬を触ると、ほんのり熱を帯びていた。

「惚れちゃった?」

「そういうのじゃねえよ!」

またいつものペースに乗せられる。

やっぱり、俺はなんだかんだで薫のことが好きなんだな。

友達っていうニュアンスで。

「ま、気とか遣わなくていいから。全然今まで通り家事するし。」

「いいのかよ、疲れるだろ?」

「同情して手伝ってもらおうなんて思って俺の手見せたわけじゃないから、手伝うな。手伝ったら犯す。」

そう言うと薫は席を立ち、空になった皿を洗う為に歩き出した。

つか、犯すって…。

えげつないけどそれも優しさかな。

「わかってるよ。ありがとう。」

素直に感謝の気持ちを伝えると、薫はうんうんと頷いて皿を洗い出した。

俺は自室に戻る為、キッチンから離れる。

自室のドアを開け、どかっとベッドに腰掛ける。

ふう、と一息ついて、目を閉じた。

この当たり障りない日常が、ずっと続けばいいのにな。

そんなことを考えても、絶対に避けては通れないことはあるんだろうな、なんて想像をする。

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