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来世にて

第2章 前世

結局、道三に丸め込まれ
二人は居室を後にした。

「すまぬ。何の役にもたたなんだ。」

肩を落とす帰蝶に楓は返す

「いえ、呼ばれる意味がわかれば勤めさせていただきます。帰蝶さま、いらぬ手間をおかけして申し訳ございません。」

帰蝶は心配そうな顔で楓を見る

「お屋形さまも申されておりました、手は出させぬと。大丈夫にござります。」

「何かあればすぐに申せ。父に強く申すゆえ。」

「かたじけの御座います。姫様のお言葉が何より心強ようござります。」

楓は笑って答えたが、当の道三が一番怪しいと心のなかでため息をついた。

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