
天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第6章 ~今年最後の締めくくり~
「機嫌直せよ、楽しいデートなんだろ?」
「……うん、じゃあ、ここでキスして?」
「それはヤダ」
「即答!?」
「血のつながり以前の問題だ。こんな人混みの中で出来るかそんなこと」
それが、できる人間のできない人間が存在する。俺はもちろん後者だ。
「じゃあ妥協して、ここで抱きしめて?」
「凛音、俺は悲しいぞ。公共の場でそんな事を平気でする娘だとは」
凛音は拗ねていた顔をフッと綻ばせる。
なんだ? 悦ぶポイントがどこにあったんだ?
「妹だからって、言わないんだねお兄ちゃん」
