
天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第6章 ~今年最後の締めくくり~
バイト先の常連客には、そう言った冗談を言う人がよく来る。目当ては永瀬さんであり、それをよく知る俺にとってはなんてことのないなのだが。
「お前が妬くほど声をかけられてるわけじゃない。ああいう人ならではの挨拶みたいなもんだ」
「ふーん」
いつになく不機嫌だな。
「お兄ちゃんは鈍感だからな……」
「なんだよ鈍感って、俺は感の良い方だぞ?」
「どこからそんな自信がくるの……わたしの気持ちにも気づかなかったくせに」
兄妹でそれに気づくほうがどうかしてるとおもうのだが。お前が兄として俺を好いてるのは気づいてたぞ?
それに、それを言うなら凛音だって俺の本性など知りもしない。
俺がただの変態であることを。
