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天然小悪魔な妹とヘタレな俺

第6章 ~今年最後の締めくくり~


「お譲ちゃんお名前は?」

「凛音です」

「名前も可愛いね。今度、お店に食べにおいで、お母さんと一緒に」

 俺の母親をどうするつもりだ。

「じゃあな、慎。良いお年を」

「あ、はい。良いお年を」



 真冬の寒さを吹き飛ばす爽やかな笑顔を見せつけ、永瀬さんは人混みに消えてゆく。

 そして……隣で、いつの間にか不機嫌になっている凛音。



「何で不機嫌なんだよ」

「お兄ちゃん、お客さんに声かけられてるの?」


 そこか……しっかり訊いていたのか。

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