
天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第6章 ~今年最後の締めくくり~
「よお、慎」
聞き覚えのある声に俺は視線を向ける。
「永瀬さん、どうも」
光沢のある、革ジャンを格好良く着こなし真冬でも日焼けしてる健康的な肌色。その顔立ちからニッと白い歯が光る。
永瀬さんは俺がバイトするカフェのオーナー兼店長だ。歳は二十後半と訊く。
「客に手をださないと思ったら、お前こんなに可愛い彼女が居たのか」
「違いますよ、妹です」
「へぇ、美男美女の兄妹だな、と言うことは母親も相当な美人?」
息子にそれを訊くか?
永瀬さんは男の俺でも格好いいと思うほどのいわゆるナイスガイ。
しかし職権乱用するほど女性関係はバイト仲間で噂されるほど。それだけ求められるということなんだろうけど。
