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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

 沙絢は涙を流しながら訴えた。
「お願いだから、止めて。私、私、いやなの。だから」
 光樹の表情そのものが普段とは違う。切れ長の双眸には紛うことない暗い欲情の焔が燃えていた。いつもの彼が太陽だとすれば、今の彼は妖しく夜空を彩る月。
 冷たい真冬の月の光をまともに浴びて、沙絢は身体だけでなく心も恐怖に凍り付きそうだ。

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