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陽だまりの仮面 -嘘-

第13章 失恋

「琉愛?」



後ろから着いて来ないあたしに気付いた花木君は不思議そうに首を傾げ



「帰らないんですか?」



と問うけれど……

いや、そりゃ帰るけれども…


今の今、一緒に肩並べて帰るのはあたしには少し酷な感じがしませんか…?


好きじゃないって言われた直ぐ後に隣りに並んで帰れる程



あたし、心臓、強くないんですけど……。




「あ、あ、あたし、いいや!」


「?


いいって?」



「あたし、もう少しここに居るから花木君先に帰って」



“バイバイ”と右手を横に振りながら、満面な必殺、作り笑顔を花木君に向けるあたし。


そんなあたしを何も言わず少しの間じっと見つめていた花木君は、あたしから数歩離れていた距離をまた1歩、1歩と何故か縮め




「あ……あの……?」




再び、あたしの数センチ目の前に立ち眼鏡を中指でクイッと上げ一言。






「言ってる意味が分かりません」









――――――!!













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