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陽だまりの仮面 -嘘-

第10章 初デート

“食べさせてください”


って事は、今度はあたしが花木君に自分のパスタを自分のフォークで花木君の口へと運ぶわけで。


って、そんなの無理に決まってるし!

そんなの恥ずかしいしドキドキしちゃうし!!

こ、この人しれっと何言っちゃってんの?!



目を見開いたまま、何も反応出来ずにいるあたしにお構い無しで


「はい、どうぞ?」


口をご丁寧に開けて待機してくれる花木君は…


所謂、空気読めない男なのか?


なんて疑惑があたしの中で浮上。


だけど、きっとそんな事も今の彼には全く関係ないんだろうな。


“早く?”って目を綴じて口を開けて待つ花木君に急かされ感満載。


男に食べさせるなんて当然やったことないし

当然、したいと思った事ないし。

またもや、本日2度目の間接キスだし。



「琉愛、?」


「僕…」


「顎、疲れちゃいますよ…」





………知るか!!!!


って言えたらどんなに楽だろう…。



目の前で目を綴じて口を開けて待つ、花木君を真っ直ぐ見つめる。


このまま放置しておくと……



凄く間抜けな感じで人から彼は見られるんだろうな。


なんて思うと、早く口に入れてあげなきゃ…!


なんてちょっとした焦燥感が生まれる。


だって…。

なんか嫌じゃん。

好きな人が変な人風に見られちゃうのって…。





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