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陽だまりの仮面 -嘘-

第10章 初デート

器用にフォークにクルクルとパスタを絡め、「ん」とあたしへと突き出す花木君ご使用の、フォーク。



え…、えっと………?



「あ…あの…?」



目の前のクルクルパスタが巻き付いたフォークを思わず首を傾げながらガン見。



なんでフォークをあたしに向けてるわけ?

仕方ないですねぇってどういう事?


え?


はっ?!




「えっとぉ………


これは……?」



どういう行為?!

いいい、意味が分からないんですけど?!



“まさか”の想定を一応頭の中でしちゃってるけど



いやいやいやいやいや!!

流石にそれは……っ!!



と、否定。




でも、




「琉愛?」


「は、はい?」


「僕、いつまでこの体制で居ればいいですか?」


「えっ、?」


「腕、痺れちゃいそうなので…

早く食べて貰えれば助かるんですが…」




なんて、更にフォークをあたしの方へ近づけられ

フォークとあたしの唇の距離、数ミリ。


フォークを上下に揺ら揺ら揺らし、頬杖付いてあたしを見る花木君の視線から



否定してた“まさか”の想定が、肯定されつつある瞬間。







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