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陽だまりの仮面 -嘘-

第8章 夕陽と泪味 ②

“何だよ!”


と言わんばかりの目線を橘に向けると



「手、退けて欲しい?」



なんて、しれっとした顔で首を傾げ問う橘。



手を退けて欲しいか……?

そんなの、



「んんんッッッ―――(当たり前だろうが―――)!!!!」



と、籠もった声で必死に叫んでみた。


橘はあたしの反応を見ながら悪趣味にもニヤニヤ笑って



「じゃぁ」



「………?」



「この手、退かしてあげるけどさ」



「静かにしててくれるって約束出来るなら。

だけど、どう?」



あたしの顔の横に肘を付いて、クスリとひと笑い。

あたしの髪の毛を軽く掻き上げる。



その瞬間




余りの気持ち悪さに、全身に鳥肌が襲う。







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