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陽だまりの仮面 -嘘-

第8章 夕陽と泪味 ②

空気を全く読まないクソ木山のせいで、本を読んでた花木君はあたしの方をチラリ。



うわッ…‼‼



顔真っ赤になってるとこなんて見られたくなかったのに、ちゃっかり花木君と視線が交わり


心臓が激しく跳ねあがる。



恥ずかしさでバッと一瞬、花木君の視線から背けてしまったけれど

ゆーっくりと視線を花木君へ戻すと




‼‼‼




花木君はまだあたしを見てて。

またもや目が合ってドキッとしてしまう。


そんなあたしに花木君は目を軽く細めて、クスリと笑い

再び読書の世界へ。




………笑われ…た……?




あたしが顔が真っ赤になってるから?

あたしが1人ドギマギしちゃってるから?



何の意味を込めての“クスリ”だったのか全く分からないけれど



――――――でも。



朝から笑みを見せる事なんてなかった花木君の笑顔が見れて


心の中に凄く温かい風が吹く。







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