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陽だまりの仮面 -嘘-

第8章 夕陽と泪味 ②

机に座って、予鈴が鳴るまでの間。

何やらギャーギャー騒いでるクソ木山を丸っきり無視して

花木君はいつものように静かに読書タイム。


そんな花木君を直視出来ない、あたし。


バッと前を向き、別にしたくもないけれど予習してる風に教科書なんて開いてみたりしながら


チラリと花木君を盗み見。




………………ッッ…




意識しないようにしてみても無意識に目線は花木君の唇に行ってしまって。


何気に、昨日。


花木君の唇が触れた右頬を、そっと手で触れ


思い出して、一気に顔が火照る。


真っ赤になってる顔を隠すかのように、右頬に触れたまま肘を付く形を取ったけれど



「どうしたの?!琉愛ちゃん!顔真っ赤だよ!?」



クソバカ木山がちゃっかり見てて。

心の中でサンドバックのようにクソ木山を何度も殴り倒しながら


ニコリと作り笑い。




「だ、大丈夫♪暑くて♪」




黙っとれ!!

クソバカ木山!!







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