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陽だまりの仮面 -嘘-

第8章 夕陽と泪味 ②

「琉愛?」


「べ…別に何も期待なんて…」


「そうですか。……残念」



……え?

ざ、残念……?



「僕は、実はほんの少しだけ期待してましたけど」


「えっ……?」



そう言葉を発しながら、ゆっくりゆっくりと顔を近づけてくる花木君に


あたしの心臓、ドキドキMAX。


相変わらず、あたしの視線を捕えたまま離さない花木君の後ろで


さっきまで朱と藍色が混じる空だったのに、すっかり藍色から深い群青の空へ。


その深い群青の空の中


たった1つ、綺麗に輝いてた1番星に負けずと輝きを放ち始めた


小さな小さな

小さな、夜のダイヤモンド。





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