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陽だまりの仮面 -嘘-

第8章 夕陽と泪味 ②

え…?


んっと………えぇえ?



「も、もう1回言ってくれる?」



上半身を思い切り捻って、花木君の顔を覗き込む。



「ビリーミリガン?」


「誰が書いた小説?」


「ダニエル・キイス?」


「えっと……」



ちょっと待て。

いやいやいやいや、ちょっと待て。



あれ?



「あたしの答え、惜しかったんだよね?」


「そうですけど?」


「山田風太郎の、甲賀忍法帖。

これ、惜しかったんだよね?」


「惜しくないですか?

山田風太郎とダニエルキイス。

ビリーミリガンと甲賀忍法帖。」



あー、ね!


うんうん。

山田風太郎とダニエルキイスだもんね。

ビリーミリガンと甲賀忍法帖だもんね。





…………。




「どこがッッッ!!!」




全っっ然、惜しくないんですけど?!!



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