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陽だまりの仮面 -嘘-

第8章 夕陽と泪味 ②

あたしのツッコミに花木君は



「惜しいと思わないですか?」


「全然惜しくなくない!?」


「琉愛が惜しくないと思うのなら

惜しくないのかもしれないですね?」


って、クスクス笑いながら言うけれど。




……あれ?

ちょっと待ってよ?



クスクス笑う花木君の笑顔より、今は頭に浮上した疑問が気になる。



「あ、あのさぁ…」


「何です?」


「……罰ゲームって」



あれ、だよね?

私、惜しいから今の状態なハズだよね?


今の状態でも十分なあたしにとっては罰ゲームなのに



「惜しくなかったらどんな罰ゲームだったわけ?」


素朴な疑問。

もし、あの時“惜しい”って言ってくれなかったらどんな罰が待ってたんだろう?


これ以上の罰、だった…とか?!


この黒縁の下で、まさか…


あんな事や

こんな事……



って

花木君に限ってはそんな事はないか。


ははは



なんて、1人で半分妄想しながら花木君をチラ見。





「琉愛は、」





――え?








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