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陽だまりの仮面 -嘘-

第8章 夕陽と泪味 ②

めちゃくちゃ激しく動悸する心臓を抑えながら

まだ瞳を綴じたまま、あたしの右肩に頭を乗せてる花木君の顔を、ガン見。



すると。



「何の本をいつも読んでるか。

答え、知りたいですか?」




言葉と共に花木君は、ゆっくりと目を開けて上目であたしの方を見上げる。




「え……っ…」



…いやいや。

本より何より…。

あんた、寝てたんじゃないのかよ!!



と心の中で叫びにも似たツッコミを入れつつも

久々に交わる花木君の綺麗な瞳にあたしの視線は捕えられ


離せない。







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