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陽だまりの仮面 -嘘-

第7章 夕陽と泪味

「…………。」


「…………。」




あの微笑は……幻か?




って思わすくらい、無言でひたすら自転車を漕ぐ花木君の背中を見つめながら

彼がさっき見せてくれた微笑を思い出し、またもや鼓動が跳ねる。


いつも無表情じゃなくて笑ってればいいのに。


って思う反面


あの、素敵笑顔で今はあまり花木君に注目してない女子共も

あの優しい笑顔でコロッと惚れてしまうバカも居るかもしれない。


そう思うと、このまま無表情を決め込んで欲しいと思う自分も居て。


結果。


あたしにだけ、もっともっと表情を見せてくれたらいいのにな…



なんていう欲が生まれる。



つい2日前まで話すら出来なかった花木君と今、こうして登下校出来るだけでも夢のまた夢のような事なのに

今はもっと違う表情が見たいと望む私。




……欲張りだな。




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