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陽だまりの仮面 -嘘-

第5章 キラキラ

バッ!と花木君が居たであろう、隣りの席を向くと


居たはずの花木君の姿は無くて。




……だけど。



肩にかかる“重み”に手を掛けると

それは、絶対的にあたしの物ではない、男子用の制服の、上着。


その上着から香る匂いで、その制服は花木君の物だと分かる。



…てか、彼はどこに行ったんだろう…?



肩に掛かった花木君の上着を手に取り、椅子から立ち上がって周りをキョロキョロ。


上着がここにあるって事は…

彼は今…ワイシャツ1枚?


てか、この寒さの中、もしかしてシャツ1枚で授業を受けた…とか!?


どうしよう!!

風邪引いちゃうかも!




あたしは急いで教室に戻ろうと、図書室を出ようとした時





「どこ行くんです?」




背後から、探し人の声がして。


思わず両足がピタリと止まる。






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