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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第10章 花いかだ 其の参

 どれほど経ったのだろう。
 弥助が眼を開け、ゆるゆると身体を起こした時、おれんが弥助の身体に取り縋って泣いていた。
「ああッ、弥助さん。良かった、気が付いたのね」
 おれんは泣きながら弥助に縋りついてきた。
「おれんさん、怪我は?」
 弥助がまだぼんやりした意識のまま問うと、おれんは首を振る。

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