テキストサイズ

花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第10章 花いかだ 其の参

 藤次郎が開け放したまま出ていった障子戸の隙間から、冷たい夜気が流れ込んでくる。
 おれんは物言わぬ弥助の身体を揺さぶりながら、懸命にその名を呼び続けた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ