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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第8章 三つめの恋花  桜いかだ 其の壱 

―おっかさんと同じ、仕立物。もちろん、すぐにお金儲けに結びつくってわけにはゆかないけれど、そのつもりでみっちりと練習して、できるだけ早く始めようと思うの。一度、呉服問屋に私の縫った着物を持っていって、見て貰おうと思ったりもしてるんだけど。もし、そこで私の縫ったものを買い取ってくれるっていうのなら、そのまま仕事を始めさせて貰っても良いわけだしね。
 勢い込んで話す娘に、気が付けば、弥助は大声で怒鳴っていた。

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