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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第8章 三つめの恋花  桜いかだ 其の壱 

 弥助は、おれんに真っ向から見つめられて、柄にもなく紅くなった。
―何なんだ、俺は。まるで十かそこいらのガキじゃあるまいし、女に見つめられただけで、なに舞い上がってるんだよ。
 自分自身を罵りながら、弥助は努めて平静を装おうとする。

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