テキストサイズ

花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第8章 三つめの恋花  桜いかだ 其の壱 

 あっさりと背を向ける弥助に、おれんが慌てて追い縋る。
「一度、うちの店にいらっしゃって下さいな。この先の和泉橋を渡ってすぐのところで、小さな店をやっております。しがない縄暖簾ではございますが、お礼にご馳走させて下さいませ」
「いや、だから俺は何度も言ってるように、そんなたいそうなことをした憶えは」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ