『花は月明かりに濡れて～四つの恋の花～』第8章「三つめの恋花　　桜いかだ　其の壱　」　439ページ

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花は月明かりに濡れて～四つの恋の花～

第8章三つめの恋花　　桜いかだ　其の壱　

　一途といえば、聞こえは良いが、実のところ、自分が一度欲しいと思い込んだ物は何がどうあっても手に入れねば気が済まぬという我がままなだけのようにも思えてくる。
「越後屋のお嬢さんといえば、素直で可愛い、良い娘さんだと評判じゃありませんか。あんな良いお嬢さんに文句を言ったら、それこそ仏さまの罰が当たるってもんですよ」