
やっと、やっと…
第9章 暗い闇の中
「おい
お前が唯に何したか知らないけど
唯はお前の玩具じゃない」
智己は圭介を強く睨む
「お前には関係ないだろ」
圭介も
智己を強く睨んだ
「俺は唯が好きだ
お前と付き合う前からずっと
好きだった
お前と居る唯をみて、
幸せそうだから良いと思った
けど、今の唯は見てられない
もう唯とは別れろ
唯だってそう思ってるはずだろ
いい加減分かれよ・・・」
(―――っ!)
そんな唐突でストレートな智己の告白に顔が更に熱くなった
智己の顔を見上げると
まっすぐ前を向いたままでいた
「唯、そんなこと思ってないよな?」
圭介が私に向かって問いかけた
いつものように
圧力をかけるように・・・
(言わなきゃ、
自分の気持ち・・・)
“別れたい”その言葉が言いたいのに、圭介への恐怖に喉が詰まり俯く
すると不意に
私の肩を抱く智己の腕に力がこもる
それに反応し智己の顔を見上げると、智己が優しく微笑んでくれた
「大丈夫・・・」
そう言ってくれた
(はっきり、言わないと)
大丈夫、智己が守ってくれる
そう思うと簡単に口が開いた
「私は・・・・」
