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やっと、やっと…

第9章 暗い闇の中

何度か智己に名前を呼ばれた



だけど私は前を向けなかった





すると







グイッ







思いっきり腕を引っ張られ
智己に抱き止められる







「・・・っとも、き?」






今の状況に
顔が熱くなるのが分かる





智己は私を見ず
圭介の方をずっと見つめていた








「おいっ・・!」







私が智己の胸に居ることに
圭介が声をあげる






「お前っ、早く離れろ」






圭介がそう言いながら私達のもとに少しずつ歩み寄ってくる







「いやだ」






智己はそう言いながら私の肩を抱きながら後ずさりするように後ろに下がる







「ちょっ、ちょっと・・」






私は二人を止めようと身をよじり声を出す







「唯は黙って」






智己に言い聞かせるように言われ
思わず口をつぐんだ




そして智己が
圭介へと向かって口を開く






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