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やっと、やっと…

第9章 暗い闇の中




私はなんて弱くなったんだろう


自分の気持ちさえも
はっきりと言えなくなってしまった



今まではこんな事なかったのに…









私は…









「我慢、して…ない……」









そう、言ってしまった





その言葉に圭介は腕の力を弱め
優しい手で私の髪を撫でる







春の暖かい日差しの差し込む木漏れ日の中




抱きしめ合う恋人の姿




そんな姿は表だけ





私の心の中は

闇の中に落ちたまま
見えたはずの一筋の光さえ


消えてしまっていた




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