
やっと、やっと…
第9章 暗い闇の中
あの日以来
圭介とはほとんど会話をしていない
圭介も俺もお互いに
なんとなく避けていた
(圭介に、話を聞くしかない…)
これははっきりさせないと
いけないことだ
・・・・・・・・
部活が終わり圭介の元へ向かう
「なあ」
そう圭介を呼ぶと
「ん?」
圭介が首だけをこちらに向け答えた
「ちょっと話がある
これから話せる?」
そう言うと
圭介は目を逸らした
「あ、あぁ、いいけど」
決まりが悪そうに言う
そのまま更衣室で着替え
学校を出る
お互い近くに居たものの
無言のままでいた
学校を出て家の方に向かう
「なんだよ、話って」
先に口を開いたのは圭介だった
お互い前を向いたまま
少し距離を取りながら…
「ちゃんと答えろよ、
唯と何があった」
