
やっと、やっと…
第9章 暗い闇の中
私を支えてくれた人は
もう一人いた・・・
最近はほとんど部活に行けず
クラスの仕事をする事が多かった
―ガラガラッ
「おー、唯いた」
机に向かって作業をする私に
声をかける人
「あ・・・」
智己だった
「あってなんだよあって」
眉を下げて苦笑いする智己
「話すの久しぶりなんだから
もっとなんかないの?」
あれから、なるべく智己のことは避けていた
心配して声をかけてくれようとするのも罪悪感に襲われながらも全て無視していた
私は反射的に
智己から目をそらす
「大丈夫だよ
あいつ部活行ってるから」
「え・・・」
きょとんとして智己を見上げる
「わかってるよ
唯が俺に近づかなかった理由も」
首を傾げ苦笑いのままの智己の目はなんだか切なそうにも見える
「俺やっぱり
こんな唯見てられない」
智己の表情が真剣なものに変わる
私は智己を見上げたまま
動けなかった
