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やっと、やっと…

第9章 暗い闇の中


(え・・?)






「本当に、唯は懲りないんだね」








圭介が私に近寄ってくる









「俺の気持ち、分からないの?」









圭介の目が怖い







この目、知ってる
















あの日と同じ目











(怖い!)








「圭介やめて、説明するからっ!」





私は震える声で言う









「へえ、言ってみて」


圭介は口角を上げて言う





「あれは・・・」







(智己にいきなり抱きしめられたなんて言ったら、智己が・・・)







「あれは、なに?」







圭介が私のすぐ横に来る







私は圭介の方を向くことが出来ず
下を向く



(智己をこれ以上は
巻き込めない・・・!)





「あれは、・・なんでもないの」







「なんでもないのに
他の男と抱き合うの?」





圭介は私の顔に自分の顔を近づけてくる




「・・っ」






「そんなに唯は

俺を怒らせたいの??」







グッ







「――っ」





思い切り圭介に肩を掴まれる




「唯、俺のものでしょ?」








(怖い、なにも、いえない・・)







「ねえ・・


答えて?」







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