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やっと、やっと…

第9章 暗い闇の中

「・・・え?」







「やっぱり、なんかあったんだな」







(・・・いえないよ

あんなこと智己にも言えない)







「なあ唯」






智己が私の肩に手を置き
問いかける








「・・なんにも、なかったよ?」






私はそう言いながら顔を上げ
智己を見る









(あ・・・)



そのとき見上げた智己の顔は
今にも泣き出しそうだった





その表情に
胸が締め付けられる





(なんで、こんな顔・・・)







「嘘ついたって俺にはわかるよ」






「ごめん、智己

でも、言えないの
話したくない・・・」





私は自分の気持ちを正直に言った






「わかった

唯が話せないならそれでもいい


でも・・・」






ギュッ







智己は私の肩を引き寄せ
腕の中に抱きとめる







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