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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

 翠華の中で閃くものがあった。修明のあまりにも静かすぎる瞳には、覆いがたい哀しみに彩られ、暗い光を潜ませている。その原因は、やはり修明の過去にあったというのか。彼が犯した罪への尽きることのない悔恨が、彼にあのような暗い眼をさせているのだろうか。
 砂漠を照らす太陽は容赦なく地上のすべてのものを焼き尽くす。修明は二、三度瞬きを繰り返し、漸く視線を動かして翠華を見た。

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