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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

「翠華を身請けしたのも、私自身が犯した罪の、せめてもの罪滅ぼしというところかな」
「― 」
 思いもかけない言葉に、翠華は息を呑んだ。
 茫然とする翠華に、修明は薄く笑った。
「私の正体について訝しく思ったことはなかったか?」
 翠華は少し迷った後、正直に応えた。
「修明様は骨董を商っておられるのだとおっしゃいましたが、それにしては、お家の中に骨董品らしきものが一つもないのは、不思議だと思いました」

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