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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

「すぐにお昼のご用意をいたします」
 修明は笑いながら首を振った。
「そんなに急がなくても良いのだよ。かえって、仕事の邪魔をしてしまったかな」
 翠華はまだ狼狽えてしまっていて、咄嗟に何と言葉を継げば良いか判らなかった。
 二人の間に不自然な沈黙が落ちる。
 その沈黙を破ったのは、修明の方であった。
「―リーラの香りだ」
 唐突な指摘に、翠華はハッとした。

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